特徴 |
本ページでは,非対称フォン・ミーゼス尺度法の主な特徴について紹介します. |
非対称性の定義 |
非対称フォン・ミーゼス尺度法では、データの持つ非対称性をフォン・ミーゼス分布を用いて表現しています。たとえば、Person iはPerson jに対して好意をもっていますが、Person jはPerson iに対してあまり好意を抱いていないとします。このとき、2人の間の好意の非対称性は、2人のもつフォン・ミーゼス分布のμとκの違いから由来します。下の図は、2人の好意の非対称性が、最終的にはπijとπjiによって表現されています。詳細が必要な方は、トップページの「簡単なご紹介」のパワーポイント資料を参照してください。 |
基本的なモデルの振る舞い |
シンプルな構造の非対称行列を非対称フォン・ミーゼス尺度法で分析することによって、この分析方法がどのようなふるまいをもつ統計モデルであるかを紹介します。左の表は、3人の間の好意を記録したデータです。好意が大きい状態は、心理的な近接性が近いということで、小さい数値で表現されています。すなわち、AさんはBさんが好き、BさんはCさんが好き、でも、CさんはAさんが好き、という状態です。このような3角関係を非対称フォン・ミーゼス尺度法で分析すると、右のような図になります。それぞれ、片思いをしている方角を向いています。 |
次の例は、AさんとBさんが両想いです。A→BとB→Aの値が小さいからです。また、AさんとBさんは、共にCさんのことが好きです。しかし、CさんはDさんを片思いしていて、DさんはAさんとBさんを片思いしています。このような非対称行列を分析すると、右図のような分析結果が得られます。非対称フォン・ミーゼス尺度法では、片思いの方向を見ると同時に、両想いの人(対象)同士は、マップ上での座標が近づきます。 |
次の例では、B・C・DさんはAさんのことが好きですが、Aさんは誰も好きではない状況を示しています。また、BさんはCさんを片思い、CさんはDさんを片思い、DさんはBさんを片思いしています。そのような非対称行列を分析すると、右図のような結果が得られます。Aさんは、誰のことも好きではないので、どの方向も向いていません。Bさんは、A・Cさんの2人を片思いしているので、A・Cさんの中間あたりを見ています。同様に、CさんはA・Dさんの中間あたりを、DさんはA・Bさんの中間あたりを見ています。 |