非対称フォン・ミーゼス尺度法 |
本サイトは、非対称フォン・ミーゼス尺度法(asymmetric von Mises scaling, AMISESCAL)の紹介ページです。非対称フォン・ミーゼス尺度法は、非対称多次元尺度法(asymmetric multidimensional scaling, AMDS)の1つです。この方法は、方向統計学(directional statistics)の知見を利用して、非対称行列を分析し視覚化するための統計モデルです。 簡単なご紹介 PPT |
方向統計学 |
方向統計学は、角度や方角をデータとして扱う統計学の一分野です。磁場解析・生物の移動・病気の伝染などで多用されています。たとえば、下の左図のように、ある渡り鳥がどちらの方角に飛び去ったのか、という方角がデータとしてあるとします。このとき、どちらの方角にこの鳥たちは多く渡っていくのかが興味の対象だとします。そのようなとき、たとえば、方向統計学のヒストグラムでは、飛び去った方角の頻度を円周上で集計します。 |
フォン・ミーゼス分布 |
正規分布は、統計学で最も重要な連続分布の1つです。方向統計学において、正規分布の役割を果たしている分布が、フォン・ミーゼス分布です。数学関数で表現すると以下のようになります。 μ:
平均方向母数 κ:
集中度母数 θの定義域は[0, 2π]です。フォン・ミーゼス分布は、2つの母数をもち、それらはμ(平均方向母数)とκ(集中度母数)です。μは、分布のもっとも密度の高い方向を規定する母数です。また、κは、密度の厚みを規定している母数です。κが大きいほど、μの周りの密度が高くなります。 |
左の図は、μとκの値を変えて図示したフォン・ミーゼス分布です。また、右の図は、単位円周上にフォン・ミーゼス分布を乗せて表示した図です。円周上に分布を表示することで、平均方向の向きと集中度の大きさが理解しやすいです。 |