ÐA行 第1

最終更新日:2009/12/14

 

従来表記

ローマ字表記

/tha/

/thi/

/thu/

/the/

/tho/

カタカナ表記

 

本項の目的は,/ha/行の濁拗音を補完することである./th/という子音をもつ音は,日本語の感覚でいう濁音のような発声をすることもある.たとえば,think (考える)という語の/th/は濁らないが,this (この,これ)などの/th/は濁る.この音は,音声学的に有声歯摩擦音(ゆうせい は まさつおん)という.濁らない/th/が「無声」歯摩擦音というのに対して,こちらの濁る/th/は「有声」歯摩擦音という.

この発音は,国際音声記号では,[ð]で表される.[ð]という記号は,もともとはアイスランド語のアルファベット「エーズ」である.このときの「ズ」は有声歯摩擦音である.つまり,舌を噛んで発音する「ズ」である.また,本項のタイトル「ÐA行」におけるÐは,ðの大文字である.

この濁る/th/を子音とし,母音を/a i u e o/と変化させた/tha thi thu the tho/は,「ザジズゼゾ」で対応するのが通例である.たとえば,theは「ザ」とすることが多い.ただし,thisは,「ディス」と表記することも多い.本項では,THA行で提案したカタカナ文字に濁点を付けた文字で対応した.音声学でいう有声と無声の違いは,日本語の清音と濁音の違いにおおむね対応しているからである.