SHA行 第1

最終更新日:2009/09/28

 

従来表記

シャ

シュ

シェ

ショ

ローマ字表記

/sha/

/shi/

/shu/

/she/

/sho/

カタカナ表記

シァ

シゥ

シェ

シォ

シァ

シィ

シゥ

シェ

シォ

 

SA行から追い出された「シ」は,このSHA行で用いられている.

本項の目的は,拗音の/sha/行を補完することである.従来表記は,/sh/という子音をもち,母音を/a i u e o/と変化させた/sha shi shu she sho/を「シャ シ シュ シェ ショ」に対応させるものである.

1案の上段は,従来表記の小書きの部分をア行で統一したものである.「シ」と「ア」を高速で同時に発音すると,/sha/と発音することができるため(他段も同様),ヤ行である必要はない.本サイトのヤ(YA)行では,/yi//ye/に対応するカタカナを復活補完した.しかしながら,そのことが原因で,従来表記は/sha shu sho/の小書きはア(A)行であるが,/she/の小書きのみはヤ(YA)行となっているという不統一感が出てしまった.

その不統一感を是正するために,小書きの部分をア(A)行で統一したのが第1案上段である.現行の50音表で訓練された我々にとっては煩わしい提案であるが,もし,ヤ(YA)行を補完するならば,50音表を学習し始める小学生にとっては,/sha shu sho/の小書きがヤ(YA)行で,/she/の小書きだけがア(A)行なのは,よく理解できない不統一感となる.したがって,学習上の効率性や,あるいは,50音表の体系上の統一感から,第1案上段は,論理的な整合性が高い.

1案上段を見ると,なぜ,シャ(SHA)行イ段だけ小書きが伴わないのか,ということに関して一貫性を欠く.そのような不統一感は,/shi/を「シィ」を表記することによって解消される.「シィ」を表記しても読み方は/shi/なので,混乱を招くことが予想される.しかしながら,この案を受け入れると,「シ」という文字が,/sh/という子音を表すための文字となって単独で発音できない文字になってしまう.日本語の文字は,「子音+母音」で1字を表す典型的な開音節言語であるため,この原則を外れることは好ましくない.したがって,第1案下段は本サイトとして採用しないが,「受け入れ難さ」の説明のために掲載した.

SHA行 第2

最終更新日:2009/09/28

 

従来表記

シャ

シュ

シェ

ショ

ローマ字表記

/sha/

/shi/

/shu/

/she/

/sho/

カタカナ表記

シャ

シュ

ショ

シャ

シュ

ショ

 

2案上段は,第1案の小書きの部分をヤ(YA)行で統一したものである.従来表記では,/she/の小書き部分だけがア行であったため,当該部分をヤ(YA)行エ段の/ye/を表す文字の小書きに置き換えた.

2案下段は,第1案下段のように,「採用しない」ことを積極的に示すために掲載した.「シ」は,あくまでも単独で/shi/と発音できる文字として残し,「シ」と/ya yu ye yo/を表す小書きのカタカナと併記することで,/sha shu she sho/を表現できるようにしたほうがよい.下段では,「シ」という文字が/sh/という子音を表す文字となってしまっており,「子音+母音」で1文字を構成するという日本語文字の典型性から大きく外れ,伝統を損なう.本サイトで行っているカタカナ補完作業は,伝統を損なってまでやるものではなく,伝統に寄り沿いながら母国語のさらなる豊かさに向けて貢献を試みる作業である.